コラム

家計相談Q&A ( 第26回 )住宅ローンの“頭金”どうやって決める?

※この原稿は、令和2年7月15日時点の税制・法律を基に作成しています。
Q:住宅ローンの“頭金”を幾らにするか、将来の繰上げ返済は何を基に決めたら良いか分かりません。答えを見つける方法はありますか?

A:ズバリ計算で答えが出ます!但し、その前に生活費の基本ができていることが前提です。まずカンナさんが加入している生命保険には問題があります。計算した必要保障額以上の内容である上、定期更新で保険料が大きく上がる商品ですのでこれを解約し、共済か割安な収入保障保険に変更し保険料負担を減らします。また、本人の老後の手当て( 個人年金保険 )とお子様の疾病保障に付いては他の保険若しくは共済が割安ですので、これに切り換えます。生活費のベースを作ることで、明確に住宅ローンの設計ができる様になります。

<頭金額に付いて>
将来家計簿からカンナさん夫婦の将来の預金残高の推移が分かります。定年退職直前59歳の845万円が最低額となりますが、第2子が大学を卒業するのも60歳時であり、この時まで、この預金は手を付けず手元に残しておきたい状況が続きます。この状況で頭金を出す( =預金を減らす )ことは躊躇されるので頭金は0円が正解です。ここで無理して頭金を出し、その結果、より金利の高い教育ローンを借りる事態は本末転倒です。

<繰上げ返済とその効果>
同様な理由で、定年退職60歳( 住宅ローン借入から15年経過時点 )までは、繰上げ返済に充当する資金は捻出できません。一方、第2子大学卒業と退職金給付以降は資金に余裕が出る状況ですので、この時点で住宅ローンの一括返済が可能です。

この時点の住宅ローン残高は1,727万円です。一括返済による支払利息軽減効果は、当初予定593万円から一括返済後348万円となり245万円も節約出来ます。なお、借入当初から15年間何もしないのは不安に思うかもしれませんが 住宅ローン控除期間13年間の控除合計額は328万円、一方、この間の住宅ローンの利息は323万円で控除額が上回っています。特に気にすることなく放置して良いと思います。

以上は各家庭の生活や進学の状況で異なります。万人に共通の答えがある訳では有りませんが、基本的な計算方法は同じですので、自分にとっての正解を見つけて下さい。

【アドバイス】
①生活費の見直しは全ての基本!
②それを基に将来家計簿を作成すれば住宅ローンの正解が分かります!
③家庭状況によって正解は異なります!

 

カンナさんの家計 / 安来市在住
夫( 45 )会社員・妻( 40 )パート・子ども2人( 小学生 )アパート、手取り640万円 住宅ローン予定額3,200万円