コラム

家計相談Q&A (第90回)マイホーム、早く契約する様に迫られています!

※この原稿は、令和7年12月3日時点の税制・法律を基に作成しています。
Q:マイホームを検討中です。たまたま見学に行ったハウスメーカーの担当者から図面や見積がドンドン来て考える間も無く契約を迫られています。私も急がないと損する様な気持ちになってきました。一方、夫は冷静になる様に促しますが、どうしたら良いでしょうか?

A:家づくりは、「ゆっくり、ていねいに」が基本です。資金計画・基本設計・業者選びの3ステップの順番は変えることも省略する事も出来ません。逆に凄く時間が掛かることでもないので、まず次の点で自分自身を見つめ直して下さい。

実は、Aさんは資金計画から問題山積です。最初は本人申告の生活費月々22万円を基に将来家計簿を作成しました。因みにこの金額は同様な家族構成の場合と比較してほぼ同額か若干少ない額です。この時点の将来家計簿の結果では、住宅頭金支払時とお子様大学在学時に預金残高がほぼ底をつく状態であることが判りました。実は生活費は、その他の支出や預金額から逆算して正確に把握することができます。これによるとAさんの実際の生活費はナント月37万円!その他、保育料や将来予測される塾費用なども現実的な金額に修正するとマイホームを取得しなくても家計は完全に破綻している実態が分かりました。つまりAさんがまずすべき事はハウスメーカーの見学や土地探しではなく、マイホーム取得が可能な家計体質に改善することです。

 家計改善の方法はいくつか有りますが、本来は同様な家族構成の家計調査の平均額と比較し、これに本人の価値観を反映して費目を絞り減額にチャレンジします。残念ながらAさんは全ての費目が大きくオーバーしていますので全てで減額しました。但し、お子様2人の教育費は節約できませんので奨学金や教育融資で家計赤字の穴埋めを行います。この返済は老後になりますが、公務員の方は老後に比較的余裕があるのでこれが可能です。

 次に基本設計ですが、家計が赤字にも関わらずAさんの設計に対する要求は多く、これに対しては常に図面から工事費を積算し減額案を提案します。具体的には、寝室8帖は過剰、2人の別々の趣味の部屋も縮小します。但し床面積を減らして将来後悔することは無い様に、家事動線への配慮と生活空間の質は落とさない様に家計と設計のバランスを取ることがとても大事なポイントであり醍醐味です。

 実は、Aさんの様に危機的な家計を把握せずに、最後の業者選びから家づくりに突き進む方を多く見てきました。家づくりに失敗する代表的なパターンは、①焦って進めて大失敗する方、②細かいことに気を取られて全体が見えない方、或いは1円でも安くと思う方、③最初から1社とだけ交渉している方。Aさんはこの全てに該当します。

最後に良い営業マンは決して急かす営業はしません。あくまでも施主自身が自己決定できるまで待ちます。

【アドバイス】

(1). 全てに「ゆっくりていねいに」が基本です。
(2). まずは実現可能な総予算額を正しく把握すること。
(3). 家計と設計のバランスは不安を消す秘訣です。

家族構成:
Aさん(松江市、32歳、会社員)、夫(38歳、公務員)、子供2人( 保育園 )

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