家計相談Q&A (第97回)60代夫婦、定年後の為にリフォームしたいが家計は大赤字。障害ある子の将来も心配。
2026年10月09日
※この原稿は、令和8年6月28日時点の税制・法律を基に作成しています。
Q:リタイヤを半年後に控え、老後を見据えて老朽化した自宅をリフォームしたいと思っています。この機会に家計の状況を確認したところ、年金だけでは家計は大赤字。おまけに退職金は予想の半分程度、妻の散財で預貯金も殆ど無し。子供は精神的障害で働くのは難しく、予想外の現実に自分達の老後も含めて不安しかありません!
A:自宅のリフォームが相談のキッカケですが、今回の様にまず家計の問題を解決しないと住宅問題が前に進まない例は沢山有ります。高齢夫婦の平均的な家計収支※の実態では、年金だけなら月額3万5千円、年間約42万円の不足、その他今回の相談の様に老朽化した自宅の修繕費なども発生します。定年前に家計の点検が出来たことは良かったかもしれません。この機会に過去数か月間のサンプリングで家計支出を整理すると課題解決のポイントが幾つか見えてきました。
Aさんご夫婦は、これ以上働く気力が無いとのこと。そうすると定年後の収入は公的年金のみ、一方支出はほぼその倍有りますので年間収支は約160万円の赤字になりそうです。基本は、生活費や保険料などの固定費を年金収入の範囲内に収める様に支出を削減することになります。食費を10%削減、車2台は定年後に1台に減らし自動車保険はネット保険などで保険料を軽減。加入している終身保険は解約したいところですが、敢えて解約せず支払い済みにしてAさんの死後、長女へ遺すことにしました。
Aさん特有の問題ですが、カードの利用額が毎年相当額有ります。誰も明細を確認せず、Aさんも妻が多額の買い物をしていることを認識していませんでした。明細を確認すると、趣味・衣料品・家庭用品です。同時に家庭内に大量のストックが見つかりました。カード支出は数年掛けて徐々に減らすことを提案。今後は平均的な家計データから予算を決めてAさんが家計管理を行い、支出を把握することとしました。
以上の見直しにより、大幅な赤字から年間25万円の黒字に改善します。妻が本格的に公的年金を受け取ると収入が約40万円増える見込みです。提案通りに実行出来れば、預貯金も少しずつ増えて介護費や少し先になりますが自宅のリフォームを行うことができます。安心してゆっくりと楽しい老後を過ごして下さい。
お子様に付いては自治体支援や就労訓練の為の支援制度を案内。障害基礎年金を全額貯蓄に回すことが出来れば金融資産が出来て、更に今回残した終身保険を長女が受け取れば生活資金準備も出来ます。
※総務省統計局「家計調査年報(家計収支編)2024年(令和6年)家計の概要」より夫65歳以上、妻60歳以上の夫婦のみの世帯
【アドバイス】
(1). 定年前に家計の点検を行うと安心。
(2). 継続雇用が基本ですが、今回はライフデザインを優先。
(3). 家計管理は向いている方が行えば良い。
家族構成:
Aさん(64歳会社員)、妻(60歳、専業主婦)、長女(24歳無職)。長女は大学を中退し、障害基礎年金を受給中。