家計相談Q&A ( 第28回 )私はいつまで働けば良いの!
2025年07月02日
※この原稿は、令和2年10月5日時点の税制・法律を基に作成しています。
Q:夫婦共働きですが、この生活に疲れています。早く退職か時短勤務にしたいと思っています。
これからのマイホームや教育資金など将来を考えた上で、何歳で辞めても大丈夫でしょうか?
A:意外かもしれませんが、弊社クライアントの約3割からこの相談を受けます。FPの教科書には「夫婦共に働きましょう」という前向き?な提言しかありませんが、現実は違います。仕事を辞めて或いは時短勤務しながら自分らしい生き方、自分が本当にしたかった事をするのも女性活躍社会と考えて良いのでは?マネープラン( お金 )よりライフデザイン( 生き方 )が優先しても良いのではないでしょうか。
一方、現実にはお金の問題が有ります。働かないデメリットは、直接的な収入減の他、それに伴う老齢年金の減額、恩恵を受ける社会保障制度・各種税制が限定されるという点が有ります。一方、専業主婦になると共働き家庭より生活費は減ることが多く、将来設計は意外と何とかなります。具体的には「将来家計簿」を作ることで、何歳で辞めても今後の人生設計が成り立つのかは答えが出ます。
キリコさんの家計ですが、基本生活費( 住宅費・教育費・保険料以外の全て )は409万円となっています。弊社の相談実績では、基本生活費は170万円~490万円まで家庭差が大きいのが実態です( 統計中央値は約250万円 )。ズバリ正解がある訳では有りませんが、キリコさんの家計は比較すれば支出の多い家計です。各費目別では赤色の費目に節約できる余地が有りそうです。この結果、2割の基本生活費の減額をすることで、来年時短勤務に変更し、45歳( 第1子大学進学後 )で退職してもマイホームや教育資金の目処がつきそうです。
例えば住宅ローンには住宅金融支援機構にダブルフラットという商品( 借り方 )が有ります。総返済額の減額や将来の返済負担を軽減することを目的として、借入期間の異なる2つの住宅ローンを組み合わせて利用するものです。定年後の返済額を減らしたい方、将来的に子供の学費が多くなる大学時期に住宅ローン毎月返済額を減らし教育費に回したい方にはとても有効な借り方です。この商品は、夫婦共働きを前提にすると大きなメリットがある借り方ですが、妻が仕事を辞めると減額効果が無いばかりか逆に大きなリスクを抱える事になります。
この様に家族構成も違えば働き方は人それぞれで良いのではないでしょうか。働き方も含めたライフデザインを明確にし、これを基にマネープランを検討して下さい。
【アドバイス】
①マネープランの前にどう生きるかというライフデザイン!
②辞めても良い時期や許容できる収入減は将来家計簿で答えが出ます!
③自分なりの働き方を尊重して下さい。
キリコさんの家計 / 雲南市在住
夫( 30 )会社員・妻( 33 )会社員・子ども2人( 8歳・6歳 )