コラム

家計相談Q&A ( 第47回 )親との同居は実現可能?

※この原稿は、令和4年4月27日時点の税制・法律を基に作成しています。
Q:現在はアパート住まいです。近い将来、私の両親と同居(2世帯住宅)を考えています。その際、実家をリフォームするか、建替えるかで悩んでいます。

A:度々、相談を受けるテーマです。今回は奥様の実家ですが、これが夫の実家となるとキッチン・水廻りが世帯分離となる可能性が高く、必然的に高額となり実現のハードルが上がります。

総額を掴む 最初に総額を掴んで下さい。総額とは①建築費は幾ら掛かるのか?②そもそもこれからの人生を考えて家づくりに幾らお金を掛けても良いのか?という2つの総額が有ります。この2つは全く別物ですが、同時並行して把握します。①は建築費の概算です。弊社では私が基本設計を行います。②は将来家計簿を作る事で把握できます。この際に人生に必要な費用は、優先順位の高い順に教育資金・老後資金・住宅費となります。お子様が3人以上になると、これからの教育費負担が大きく住宅費を捻出することは容易ではありません。

失敗する代表的なパターン 家づくりにおいては、「成功する」よりも「失敗しない」ことに気を使った方が上手くいきます。私は300棟以上の家づくりで設計・資金の両面から関わってきた経験から、失敗パターンは大体3つです。①納得しながら慎重に進めていない( 具体的には、自分で完成時期を設定しあせって進めて大失敗するパターン)、②細かい事を気にして全体を見ない( 色んなケースが有りますが、数万円に気を取られて数百万の損をするパターン、具体的には、弊社の家づくりセミナーで、電卓で何か計算しながら私の話を聞いて、大事な事を聞かない人 )、③比較をしない( 具体的には最初から1社で話を進めて大失敗するケース )。これらに該当しない様に気をつけて下さい。

家計 Aさんの場合、将来家計簿で住宅予算を算出する際に最も大事なポイントが「生活費の把握」です。実は、生活費が少し減るだけで住宅予算は大きく増えます。一方、大抵が現在の生活費すら掴んでいない上に、今後は両親との同居になるので将来の生活費の把握が更に難しくなります。ここでのコツは親の負担分を決めること、その為には、今の無駄見直しと同時に、予め食費などの分担を親子で話し合って下さい。奥様の実家の場合、その話し合いは容易です。2世帯住宅が上手く行くコツです。

【アドバイス】
①とにかく最初に総額②を掴むことが全てのスタートです。
②3つの失敗パターンを避ければ大丈夫です。
③将来の生活費と分担を正確に把握します。

Aさんの状況 / 松江市在住
Aさん(35歳・OL)、夫(39歳・サラリーマン)子供は小学生2人。