家計相談Q&A (第60回)シングル女性、マイホームが夢です。
2025年07月02日
※この原稿は、令和5年6月1日時点の税制・法律を基に作成しています。
Q:50代シングル女性です。夫とは離婚し子供と暮らしています。昔からマイホームを持つことが夢でした。私の家計状況でマイホームは可能でしょうか?
A:意外かもしれませんが、Aさんの様に離婚後、単身になってからマイホームを持ちたいという相談は実は多くて、弊社では現在4人の方がマイホームを希望し同時並行してサポートしています。自分( と子供 )だけの心安らぐ落ち着ける住まいを実現したいという気持ちは十分理解できます。一方、共通して将来に対する強い不安が有り、これに対しては現実と典型的リスクを認識し、十分な対策を取る必要があります。
リスクを明らかにする為には、将来家計簿(資金プラン書)を作ることは効果が有ります。一方、残念ながら1回だけで明確な将来の方向性が見える訳ではありません。弊社では、通常、家が完成するまでに資金プラン書を4回作成し、修正・確認を繰り返します。現実の人生の課題は、簡単には解決しないということです。
初回の資金プラン書の結論は共通しています。これまで貯めた資産とこれからの収入(住宅ローン)だけで土地を購入しマイホームを新築することはほぼ不可能です。またこのコーナーでも度々説明していますが、人生の三大資金には優先順位が有ります。今回の様な相談の場合には、主としてこれから生きていく為の老後資金の確保が先であり、教育資金負担もある場合には、こちらが最優先になります。どうしても住宅資金は後回しになります。
2回目の資金プラン書では、盛り込む対策は次からの選択になります。
- 今ある不動産の売却 :適正金額での売却と対応する税政制度に注意が必要です。
- 家族・親からの資金援助 :親自身の生活にも配慮し、相続対策と贈与制度の選択が必要です。
- 家づくりへの子の参加 :子の将来の生活設計への配慮が必要です。
- 既存(中古)住宅のリフォーム :物件の評価と技術的に対応できる建築業者の選定が重要です。
- 適正な住宅規模:予算が限られる中、要望を満たしつつコンパクトにまとめる事が必要です。
各自を取り巻く人と資金の環境は異なりますので2回目以降の資金プランで対策が分かれます。現に4人の方は①~⑤の別々の手段またはその組み合わせでマイホーム奮闘中です。
【アドバイス】
(1). リスクを正しく認識する必要があります。
(2). 取りうる対策の中から自分に合った方法を選択します。
(3). デザインはコンパクトにまとめる事が必須です。
家族構成:Aさん:52歳、子ども1人(大学生)。