コラム

家計相談Q&A (第70回)後悔しない家づくりとは?

※この原稿は、令和6年3月30日時点の税制・法律を基に作成しています。
Q:長年の夢だったマイホーム取得に向かって猛勉強中です。ネットには沢山の情報が有り、また家族で見学会に何回も行きました。しかしその結果、今は頭の中がパニックです。一体、誰の言葉を信じ、何から手をつけたら良いのか分からなくなりました。

 

A:殆どの方が同じ状態です。見学会巡りから家づくりをスタートし、これに長い期間を費やす方が沢山いますが、それで建築業者や商品は決まる事は無く、やがて訳が分からなくなります。家づくりセミナーには「もう2年も見学会巡りしています」という方が沢山参加されます。家づくりは本来楽しい事なのに、全く楽しめない状態に陥ります。紙面の制約から家づくりのノウハウやセミナー内容は記載できませんので、今回は分かり易く「失敗しないコツ」を紹介します。家づくりでの成功の定義は人まちまちですが、むしろ「成功する」よりも「失敗しない」方が簡単です。そして、失敗する方のパターンは決まっていて、次の3つですので何れかに該当したら要注意です。

①納得しながら慎重に進めない人!勝手に期限を決めて、焦って大失敗する人です。家づくりに大事な事は順番に、資金・基本デザイン・業者選びの3つで、自分で決めます。これは絶対に省くことは出来ません。また答えを出すのに時間も掛かります。これを納得しながら進める事が結果的には最も安心・スムースで時間が掛からない家づくりになります。

② 細かい事を気にして全体を見ない人!例えば1円でも安くの人です。家づくりは損得でない面が有りますので、最初に総額を把握する事が最も効果的です。また、セミナーで一字一句をメモる人も失敗し易い人に当てはまります。意外かもしれませんが、細かい点に気を取られ、或いは自分の都合の良い内容だけを選択する傾向が有ります。家づくりの全体を理解する事が対策です。

③「比較」をしていない人!例えば、最初から工務店1社とだけ話を進めて大失敗する方で、特に注意が必要です。施主の嗜好は常に変わります。これは成長している証ですので悪いことでは有りません。結果、最初に決めた1社にやがて違和感を持つ様になります。これには複数の比較が対策になります。更に、自分だけの提案を貰い、見比べて決める事。一方、事前にその提案を貰う為の共通仕様書を施主が作る事も必要です。

最後に大事なコツ!人生の3大資金(①教育資金・②老後資金・③住宅資金)は、共に約3,000万円前後の金額が必要であり、かつ30年に渡る資金繰りです。密接に関連していて単独の解決は出来ません。また3大資金には優先順位があり、番号の順番通りです。そうすると実は家づくりは余ったお金で行う人生のイベントになります。住宅の資金計画書を貰った際には①と②が正しく計算・反映されているかが住宅資金計画のコツになります。

【アドバイス】
(1). 自分で決めるべき事は避けて通れません。
(2). 失敗の3パターンに該当しない様に注意。
(3). 3大資金が正しく反映されている事が安心のコツ。

Aさんの家族構成:
Aさん(35歳・パート勤務)、夫(41歳・会社員)、子供2人(小学生)。松江郊外で小さくても良いので庭のある平屋が夢。